『ちゅーりっぷ』

小さいころ君と
虹色に囲まれて
たくさんの折り紙を折ったよね

君の少し不器用な
でもかわいいチューリップ
僕のよりも優しく揺れていた

時はなぜにこの僕を
まとめて連れ去ろうとするのだろう?

「変わらないでね」 その一言が
よぎるたび僕を苦しめる
明日の僕には 今日の僕が
いったいどれだけ残るのだろう?

名も知らぬ街から
君の手紙が届いていた
小さめの花束といっしょに

見間違えるほどの
造り物のチューリップ
少しだけ鉄くさいにおいがした

時はなぜにこの僕を
おいて逃げ去ろうとするのだろう?

誰の言葉も 薄れてしまい
消えてゆくこの世界の中で
一体なにを 頼りにして
僕は生きてゆけばいいのだろう?

止まろうとしても 止まろうとしても
時はひたすら進んで行くばかり
進もうとしても 進もうとしても
時はひたすら止まっていてばかり

2005/9/6 だふ
詩の部屋へ トップへ
無料ホームページ掲示板